ジュブナイルって何ですか?
英語では、juvenile。てか、フランス語じゃなかったかしら。
別に問題提起とかさしたるものではなく、手元に牧野修氏のMOUSEって単行本があるんだけど。
もうかれこれ10年位前に買ってそれきり紛失してしまったものがたった今出てきて、久しぶりに再読したんだけど。
あらすじも、そこ呼んでもらえば分かるけど、ネバーランドをジャンキーたちに開放したような世界でのお話。
で、本の事はとりあえずいいんだけど(いや、好きな話なんだけど)これ読んでて
「ジュブナイル」って何だろうな?
とか思ったわけで。
「ジュブナイル小説」「ジュブナイル映画」などよく言われるよね。
ジュールベルヌの「十五少年漂流記」を「ジュブナイルな〜」と紹介されていたのを読んだか聞いたかした記憶があるんだけど、これは児童向けの小説だよな。それに、ゴールディングの「蠅の王」なんかも加えてもいいかな。
映画だとコッポラの「アウトサイダー」やボグタノビッチの「ラストショー」なんかもジュブナイルじゃないかね。
するとティーンエイジャーたちが主体の物語なりを「ジュブナイル」と称するんだろうかね。
さらにネットで検索しててのけぞったのは、今はライトノベルなんかも「ジュブナイル」とされているみたい。
後、どんどんググると「SFジュブナイル小説」とかもあるね。これSF小説じゃいかんのか?
SFジュブナイル小説?何じゃそら、と思ったらSFジュブナイル小説家に「眉村卓」とか「筒井康隆」の名前が。
つまり新しく出てきたジャンルというより、今まさにカテゴリ分けがなされているみたいだな。
(昔からこの作家たちを「ジュブナイル小説家」とかみんな呼んでたっけ?記憶にないんだけど)
でも、たしかにこの人たちの小説って中学生あたりが手にしやすい小説だよね。
俺も読んだよ。
それに「家族八景」とかは中学か高校の夏休みの読書感想文の指定図書になってた記憶がある。
さらに検索するとジュブナイルには、「ジュブナイルポルノ」とかまである。もう、この辺になると笑ってしまって正直どうでもいいっちゃいいんだけど。
じゃあ、本来のジュブナイルの定義はと調べてみる。
あまり使わないというか何かコンテンツに偏りのあるマイクロソフト・エンカルタ大百科事典によると…載ってねえ。
大百科事典の名が泣くぜ。
まあ、1999年版なんだけどね。馬鹿馬鹿しい度々のバージョンアップでMSにお布施なんてできるかよ。
では、ウィキペディアを見てみると、
ジュブナイル - Wikipedia
本来の意味は少年期。転じて児童文学の意味で使われていたが、本来の児童文学よりはやや年齢が高い10代の中高生を主に読者対象としていることもあって、10代後半〜20代前半の所謂ヤング・アダルト文学の中で、SFやミステリのようなジャンル小説の特徴を持つ一連の作品に対する呼称として用いられるようになった。ライトノベルと混同して使われることも多い。
これの執筆時点じゃ概要しか書かれてないけど、はっきりした定義はないのかもしれんね。
少なくともネットじゃライトノベルはジュブナイルとして浸透してるよ、多分。見た限りにおいては。
ただ、ライトノベルまで含めてしまうと少年ジャンプの漫画もジュブナイル漫画でありなの?とか思えてしまうな。
ジュブナイル小説とか映画ってもっとこう、なんつーのかな。
俺にはもちょっと高尚な印象があるんだけど、変わってきてんのかね。
ね。
それなりに、ライトノベルに浸かってる俺がそもそもこれを云々するのは天に唾を吐くようなものかも知れませんがぁ。
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それはそうと、ジュブナイルの定義はともかく。
十五少年漂流記がジュブナイルだとして、十五壮年漂流記ってタイトルでジュブナイルなお話にできませんかね。
俺はアリ、だと思うんだけど。
映画「コクーン」とかジョン・スコルジーの「老人と宇宙(そら)」なんかには十分「それ」を感じた。